Fish Catalog
ニセモチノウオ
Pseudocheilinus hexataenia (Bleeker,1857)
■分類上の位置
スズキ目ベラ亜目ベラ科モチノウオ亜科ニセモチノウオ属
■我が家での愛称と由来
そもそも何が「ニセ」なんだよ?と思ってしまう。ベラ亜目の中でも最大級のサイズの魚種を擁するモチノウオ属と、逆にクジャクベラ属よりも小型のものが多いニセモチ属を間違えようもないではないか。でも、もしかしたらこの「ニセ」というのは「偽(贋)」ではなく、江戸時代の薩摩藩で元服前の武士の子弟のことを「にせ(二世?)」と呼んでいたが、そっちかもしれないな。成魚なのにモチノウオ属n幼魚にそっくりだ、なんてね。その後、隔離ケースからの奇跡の脱出を行ったので、その奇跡に免じて「パピヨン」と命名する。
■特徴:

この属はどういうわけか基本的な体型がみんな同じで、見ただけで「ああこれはニセモチの類だな」とわかる。ベラにしては小柄で寸詰まりな体型、おちょぼ口がツンと尖っていて、だいたい小さいくせに気性が荒い。もっとも同属のヒメニセモチノウオだけは「姫」というだけあってちょっと大人しい。夜寝るのはベラ亜目の共通特長であるが、その寝方に特徴があって、ニセモチの場合は体表から出す粘液の繭に包まれて岩の隙間とかで眠る。毎晩「繭」を作るのは大変なエネルギーを消費すると思うが、そのせいか餌には貪欲で、調子が良ければ水槽に入れたその瞬間から餌を食べる。
■飼育上のウンチク

ポピュラーな魚の割には最近お見かけしなかったが、5月に入って頻繁に見るようになった。小さいが気性が荒いこともあり、自分より大きなヤッコがいる水槽にでも平然と適応するので、飼い易さではベラの中でも1,2を荒らす尾だろう。逆に、自分の同じくらいの魚には獰猛とも言える振る舞いをすることがあり、注意が必要だ。特にニセモチは、怒ると眼の上の白いラインを真っ赤に充血させ、激しく威嚇して、おちょぼ口(実は嘴のようにするどい)で相手を傷つける。
とはいえ、ニセモチそのものは同属の中では大人しいほうである。エイトラインとかフォーライン、オセレイトなど豪傑揃いのニセモチ属にあっては、混泳を想定しても飼育は容易といえるだろう。
・・・でも白点になっちゃったらそれまでだけどね。がっくり。
[2007/08/08追記]
白点描禍にも生き残ってくれたのは良かったのだが、新装開店で新しく入れたアサヒハナゴイに暴力をふるって2匹殺してしまった。なんとも恐ろしい。やっぱしサンゴ礁最凶最悪の種族であった。

[2007/11/09追記]
90cm水槽リセット&移転のタイミングで身柄を確保し隔離水槽へ。いずれは別水槽に強制収用をもくろんでいたのだが、なんと隔離槽のフタを押し開けて(?)奇跡の脱出劇を演じた。参りました。強制収用後は何故か多少おとなしくなったし、奇跡に免じて放免することにした。
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