Fish Catalog
オヨギイソハゼ
Eviota bifasciata (Lachner and Karnella,1980) 
ツースポットピグミーゴビー
■分類上の位置
スズキ目ハゼ亜目ハセ科イソハゼ属
■我が家での愛称と由来
飼育可能な海水魚で、これほど小さいのがいるのか、というくらい小さい。小さすぎて人格を感じないので、名前はまだない。
■特徴:
小さな体で、リーフ外縁のガレ場(枝サンゴの死珊瑚が堆積する岩場)に群れ住み、ちょっと脅かすと各々岩場の間に隠れてしまうという。こんなに小さい魚が隠れてしまったら、もう二度と見つからないかもしれない。
実際水槽に入れても2日くらいの間は「全滅したか?」と思うくらい姿が見えなかった。そうこうするうちに岩陰に群れを作っているのを発見。テンジクダイ系の群れやハナダイの群れともまた違った味のある群れである。
あるショップの魚水槽が崩壊していて、「これダメかもな」と思いながら持ち帰ったが、しっかり生きていて、見た目のはかなさに比べて案外丈夫かも、と思う。
イソハゼ類の特徴として、水槽内でも良く群れてくれる、ということがあるだろう。とにかく水槽とは桁違いの空間に生きる海の熱帯魚たちは、なかなかホームレベルの水槽の中では群れを作ってくれない。そんな中、狭い空間でも群れを作るテンジクダイなどはお気に入りなのだが、本種も同様に群れを作ってくれることがわかった。テンジクダイと本種の群れ状態のもっともおおきな違いは、本種の場合漠然と密集体系を作って、決して泳ぎ回ることはしない、というのがおおきな違いだ。捕食者の目を逃れるというよりも、なんとなく漠然と凝集することで、逆に捕食者の目を翻弄するのではないか。その証拠に、ちょっとした刺激があっても全員あっという間に岩陰などに姿を消す。群れの中の誰かが危険を察知すると、全員に伝播するような仕組みを持っているのかもしれない。
そういう群れを作る様だけでもこの魚を飼育する十分な面白みを与えてくれるだろう。

■飼育上のウンチク
こんなに小さい魚にやる餌ってなんだろう?ということで、陰日性トサカ用に購入したコペポーダを与えてみると、なんとなく食べているような動きだ。陰日性トサカには、漠然と細かい餌をやらなければならず、水が汚れて仕方がないが、そのおこぼれを適宜食べてくれるようであれば、大変助かる。もっと沢山いれようかと思うくらいだ。
とにかく小さいので、細かい様子は良くわからないが、あまりガンガン泳ぐタイプではなく、漠然とした、しかしはっきりとした群れを作るので、小さい水槽にも向いていると思うが、濾過の脆弱な水槽では今僕が行っているような荒っぽい給餌が出来ないのがネックになりそうだ。
関係ないが、最近(2007年11月)冷凍コペポーダでやっと良い製品が出てきて、たいへん助かる。トサカ&オヨギイソハゼで、1日1回漠然と栄養強化したコペポーダを流してやるというのがなかなか良さそうだ。

12/12追記:
ドロップオフ水槽の水流については非常に試行錯誤を要する状況だが、そんな中、水流を弱めにしておいた翌朝、水槽全体に群れているのを発見。どうやら彼ら、あまり水流が強いと出て来れないと見える。もしかすると、ドロップオフどころかなんとなくよどんだくらいのゆるい流れの場所が生息地なのでは。
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